National Orchid Gardenに行ってきました

2023年8月16日より開催のAPOC 14 (Asia Pacific Orchid Conference)に参加するためシンガポールへ。

らん展と会議の参加を前に、Singapore Botanic Gardens内にあるNational Orchid Gardenを訪問しました。

National Orchid Gardenの入り口



National Orchid Gardenの入っているSingapore Botanic Gardens(シンガポール植物園)は中心地から地下鉄(MRT)やタクシーでも20分程度の距離にあり、広さは82ヘクタール(東京ドーム17個分だそうです)という巨大な公園です。世界遺産にも指定されています。

National Orchid Gardenをはじめ、いくつかのエリアに分かれていて、National Orchid Gardenだけが有料エリアとなっています。入場料は外国人料金の15シンガポールドル。シニアならば3ドルだそうです。


Orchid Garden内の地図



Orchid Gardenだけでもなかなか広いです。若干高低差のあるエリアに歩道が整備されており、ぐるぐる歩いて回ります。ランに興味があって、鉢植えだけでなく、木々に着生している株などをよく見ながらゆっくり回ると2時間以上はかかるかなと思います。シンガポールですから高温多湿。歩いていると汗が出てきますが、地図右端のCool House(冷房温室)を折り返しにすれば、暑い中でも頑張れるくらい。

巨大グラマトフィラム



ゲートから比較的近いところにあるのがTiger Orchid Fountainという巨大グラマトフィラム。他の植物がだいぶ育っていますが、山の頂上のこんもりしているのが、世界最大種と言われるGrammatophyllum speciosumです。ラン関係の庭にとりあえずグラマトおいて置くのは、もはや東南アジアあるあるですね。

VIP ORCHID GARDEN



作出した交配に世界のVIPの名前を付けて展示しているのがココの見どころの一つ。どういった経緯だかはわかりませんが、国家元首や皇室、政府要人などが植物園を訪れると名前を付けたりしているそうです。Den. Barack and Michelle Obamaというスパチュラータ系のデンドロがちょうど咲いていました。実物は見られませんでしたが、本によれば。最近、Fumio Kishidaという交配名も登録されたそうです。

整然と並ぶMiss Joaquim



シンガポールと言えば、Papilionanthe Miss Joaquimですね。シンガポールの国花とされているものです。Miss Joaquimというのは、シンガポールでは初めての交配となったこの交配を作出したアルメニア人庭師、Agnes Joaquimという方からついたそうです。

折り返し地点の冷房温室



先ほどのマップでは一番右端にあったThe Sembcorp Cool Houseという冷房温室です。救われます。
遮光もないガラス張りの広い2階建温室ですが、しっかりとクーラーが効いていて快適。Paphiopedilum、Phragmipedium、Madevalliaをはじめとするいわゆるクールタイプも元気に育っています。Epidendrum medusaeさえ巨大に育っていたのが印象的でした。

植物園内は、全体として観賞用という雰囲気が強く、ほとんどの植物は名札無しで展示されています。時折ラベルを見かけますが、あまり厳密ではないようです。ホームページによると1000種以上の原種、2000以上の交配種が展示されているとのことで、交配種も多く展示されています。開花に合わせて展示品の入れ替えも頻繁にしているようですが、草むらに居ついている株も多くあったので季節ごとに違った開花がみれそうです。

シンガポールへお越しの際はぜひ一度足を運んでみると楽しいかもしれません。