第3回
栽培環境

梅雨が明け、日本の夏らしい蒸し暑い日が続いています。

前回は植え替えの様子をご紹介しました。今回は植え替えた株を栽培する場所についてです。

ランは基本的に日光を好む植物です。栽培場所は日当たり、風通しが良い場所を選び、強すぎる日光に対しては遮光を施すのが基本です。しかし、特に温室などのないご家庭で楽しむ場合、好条件の栽培スペースを確保するのはなかなか難しいものです。しかし、多くの愛好家の方々がベランダや限られたスペースで試行錯誤しながら栽培され、見事な花を咲かせているのも事実です。

ということで、今回は以下のような環境の庭先での栽培に挑戦します。

  • 東京23区内の住宅街
  • アパート1階の庭先、東南向き
  • 庭を挟んで隣には2階建ての家
  • 前回植え替えた株は、鉢吊り金具をつけ、つるせるようにしました。特に吊るす必要はないのですが、隣の家の塀との距離が近く、低い位置では日が当たらないので、吊り下げることにしました。

    東南向きで、東側には住宅があるため、朝日は少し遅くならないと入ってきません。午後は夕方には他の住宅の影に入り、強い西日もほとんどあたらないので、日の光を好むインターメディアには少々日照不足な環境かもしれません。夏に向けて日が長くなる間は少し位置を調整しながら日に当ててあげたいと思います。

    遮光は、植え替え後に外に出した4月時点ではしていません。強い光線に徐々に慣らしていくことで無遮光下でも夏を越せるとのことなので、今回は遮光なしで挑戦することにしました。

    ランの中でも日差しが好きな種類といわれるインターメディアであっても、真夏は遮光ネットを張った下において管理するのが基本です。しかし、5月頃から庭に近所のネコの侵入が目立つようになり、置いてあったプランター類が倒されるなど被害にあったので、遮光ネットを張ると悪戯されてランも被害にあう可能性があったというのが大きな理由です。

    遮光する場合は35~50%の遮光ネットを栽培スペース全体にかかるように設置します。夏の西日がランにとって強すぎる場合があります。遮光ネットは栽培スペースの上面だけでなく、横にもたらします。朝日の入る東側や北側は開いていて大丈夫です。

    最後に、日当たりや温度と同じく重要なのが風通しです。風通しの悪い場所では扇風機で風を送ってやることが勧められるほど、風はランの栽培において大切です。幸い、今回の栽培場所は風通しは悪くないので対策はいらないと思います。今回は鉢を吊るしていますが、置いて栽培する場合は、地面に直接ではなく、ブロックやプラスチックコンテナなどで棚を作って、その上に置くことで風通しが良くなります。風は病害虫の予防にもなりますので、栽培場所を決める際の検討材料の一つとして覚えておくと良いと思います。

    豆知識 ~植え込み容器~

    洋ランが植えてある鉢にも素焼き鉢、硬質なプラスチックポット、柔らかいポリポット、釉薬の塗られた化粧鉢、バスケットなどいろいろ種類があります。これらの大きな違いは通気性にあります。プラ、ポリの鉢、釉薬の塗られた鉢は空気を通しませんので、乾きが遅く、バスケットや素焼き鉢は鉢内が早く乾きます。植物が好む鉢内環境に合わせてベストな鉢と植え込み材料の組み合わせが見つかると栽培もうまくいくはずです。